知られざる欧米のマンガ・アニメ事情

 今年も日本のマンガやアニメなどを扱ったジャパン・エキスポが始まりました。今やフランスのみならず、世界中に拡がるマンガ・ブームというか、アキバ・カルチャーですが、ジャパン・エキスポのマンガ・コーナーで働く男性の話は興味深いものがあります。彼曰く、「日本のマンガは、けっして子ども向けとは言えず、その多くが子供が手にしてはいけないものが多い。そこは、フランスのバンド・デシネと文化が違うところです」と指摘しています。

 

 無論、バンド・デシネは「タンタン」や「アステリックス」だけではありません。毒の入った大人の物もありますが、日本の場合は、その対象が曖昧で、境界線がないように見えます。欧米では、子供の視線の高さに、エログロ雑誌を陳列することは禁止されています。それにキリスト教系の団体がうるさく監視していて、教育上よくないものは、すぐに批判の的になります。



 アキバのオタク文化は、どのように世界に広まっているのか、異文化の中では、相当に受け入れられ方が違うように見えます。ジャパン・エキスポに集まる若者は、まず、けっしてアキバ系ではありません。私がフランスの大学で教えた学生の中には、日本のマンガやアニメに相当詳しい学生もいましたし、自分のPCのデスクトップをマンガにしている学生もいましたが、彼らの多くはオタクとは逆で、非常に外交的で友達もたくさんいました。



 日本の文化が世界に広まるのは悪いことではありませんが、なんでもいいとは言えません。アメリカ映画が世界中でウケ続けているのは、本場アメリカで質の高い映画が作られ、それを育てるアメリカ国民がいるからですが、日本も、そのような努力がなければ消えていくリスクもあると思います。


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Author:artworks21
安部雅延(あべ まさのぶ)
フリーの国際ジャーナリストで、フランスのビジネススクールで長年教鞭を取り、日産自動車始め多数の大手企業でグローバル人材育成を担当した安部雅延が、国際情勢やグローバルビジネスの最前線を紹介し、豊富な経験を踏まえた独自の視点で世界を読み解くグローバルトーク。

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