英政府が離脱後のEUからの労働者受入れで英規制検討

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 英ガーディアン紙が5日に報じたところによりますと、英政府は欧州連合(EU)離脱後のEUからの労働者の受け入れについて、非熟練(単純)労働者の居住許可を最長2年間に制限することや、熟練労働者については3~5年間の申請を認めることなどを内務省が検討していることが明らかになりました。

 ブレグジットの大きな理由の一つと言われたEU諸国、特にポーランドなどの旧中・東欧加盟国から大量に流入する労働者問題に対する検討が具体化しているということです。日系企業も離脱後の人材確保で苦戦が予想されるだけに注目されている問題です。

 明らかになった内務省の内部文書から、離脱後の移民制度に関する提案は、
EUから英国に入ってくる労働者の配偶者やパートナー、18歳未満の子供を扶養親族に限るなど帯同できる家族の定義を厳格化することを検討していることが明らかになっています。

 無論、これは政府レベルの文章ではなく、内務省の検討段階の文章ですが、たとえば、これまでEU市民の入国審査で認められていた加盟各国政府が発行するIDカード(国民登録身分証明書)では入国できなくなり、パスポートの提示を求めるとしています。ただし、将来的にもEU市民への移民制度は、EU域外と区別する考えも同時に示しています。

 さらに3カ月以上の長期滞在では、指紋など生体認証を用いた居住許可証の申請を義務付けるとし、求職のための入国は制限するとしています。一方、英国内の
雇用主は可能な限り国内で労働者を調達するよう努力することや職業訓練強化も求めています。

 ロンドン西部のイーリングなどの街角では、英語よりポーランド語が多く聞こえ、ロンドンっ子が眉をひそめることが多かったわけですが、政府が本格的対策に乗り出すのは必然的と言えます。そのため離脱前に滑りこもうと東欧からの移民が必死になっている現状もあるわけですが、政治的、経済的に重要な注目点の一つと言えます。


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安部雅延(あべ まさのぶ)
フリーの国際ジャーナリストで、フランスのビジネススクールで長年教鞭を取り、日産自動車始め多数の大手企業でグローバル人材育成を担当した安部雅延が、国際情勢やグローバルビジネスの最前線を紹介し、豊富な経験を踏まえた独自の視点で世界を読み解くグローバルトーク。

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