簡単ではない改革の具体的実施

景気刺激策を含め、改革や変革に取り組んでいる国は少なくありません。フランスも一昨年誕生したサルコジ政権が、さまざまな改革を実行に移していますが、仕事が早いことで知られるサルコジ大統領に反し、仕事の嫌いな公務員たちの現場は混乱する一方という皮肉な結果になっています。



 



たとえば、失業手当の支給などを扱うアセディック(ASSEDIC)と求職支援を行うアンペウ(ANPE)が、サルコジ改革で一つになりました。細分化された行政機関は人件費と事務費を増大させ、非効率ということで、行政機関の統合・再編が進められているのです。



 



ところが、自分の仕事以外に、いっさい関心を持たないフランス人公務員は、組織の再編で行政サービスが、どう変わるかに興味がありません。昨年10月に失業した友人は、失業登録するための面談日を決めるため、電話しましたが、いつでもアンサーフォンで、メッセージを残すように言われても、連絡が来ません。



 



つまり、事務所が一つになれば、当然、押し寄せてくる人の数も増えるわけで、さらに失業率が急上昇するご時世では、対応は大変です。ところが自分の仕事以外に関心のない現場職員たちは、限られた非常に短い労働時間の中で、限られた仕事しか絶対にしません。



 



組織の統合で、迷惑を被るのは一般市民ですが、そんなことに公務員たちは関心もありません。これは公務員のみならず、民間企業にも言えることです。ですから、組織を合理化する時は、それで末端のサービスがどうなるのか慎重に考える必要があります。



 



誰も全体のことを先に考えて働こうというメンタリティは希薄で、一般市民が困ろうと自分の仕事をこなすだけです。友人は面接まで1カ月半待たされ、不安な日々を過ごしたそうです。その後も電話連絡はとれず、未だに事務処理で困っているようです。まあ、フランスの公務員の態度の悪さは欧州でも有名ですが。


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Author:artworks21
安部雅延(あべ まさのぶ)
フリーの国際ジャーナリストで、フランスのビジネススクールで長年教鞭を取り、日産自動車始め多数の大手企業でグローバル人材育成を担当した安部雅延が、国際情勢やグローバルビジネスの最前線を紹介し、豊富な経験を踏まえた独自の視点で世界を読み解くグローバルトーク。

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