政治家のリベンジ

日本では、民主党の小沢一郎党首の第一秘書が、政治資金規正法違反で逮捕され、民主党の支持率が下がっています。日本の政治家の多くは、秘書に責任を押しつけ、自分に火の粉が掛からないようにする習わしがありますが、限りなく灰色でも、議員が続けられるだけでなく、鈴木宗男議員のように長期に留置されても、議員で返り咲くことができます。



 



この禊ぎという不思議な習慣は、日本独特のもので、欧米では考えにくいものです。フランスの国立レンヌ大学にある日仏経営センターの所長だったデュラン教授は、私に「日本のトップは羨ましい。欧米では一度、法に触れる大きな失敗をしたら、リベンジは困難だが、日本では可能なようだ」と言いました。



 



スキャンダルまみれになった議員が、未だに議員を続けている例は日本では多く、その議員に投票する有権者がいるところに、日本の倫理観の怪しさがあるようにも思います。フランスでは、元首相でボルドー市長でもあったアラン・ジュペ氏が、パリの助役時代に不正政治資金流用に関与したとして有罪判決を受け、政界を追われました。



 



今は、多少の政治活動をしていますが、元のような政治活動は困難な状況です。過去にはロゲ産業相が、自宅を建てるのに建築業者に格安で建てさせ、完全に中央政界から姿を消しました。企業のトップも、経営ミスで大きな損失を出すなどの失敗を犯せば、即追放です。



 



罪を憎んで人を憎まずという言葉がありますが、禊ぎで片づける日本は、罪の償いの意味が欧米とは違うようです。「誰だって罪を犯すんだから、まあ、いいでしょう」という感覚なのでしょうか。日本の政界は大混乱状態ですが、4月にはロンドンで重要な金融サミットもあり、主要国は戦々恐々としていますが、大丈夫でしょうか。


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安部雅延(あべ まさのぶ)
フリーの国際ジャーナリストで、フランスのビジネススクールで長年教鞭を取り、日産自動車始め多数の大手企業でグローバル人材育成を担当した安部雅延が、国際情勢やグローバルビジネスの最前線を紹介し、豊富な経験を踏まえた独自の視点で世界を読み解くグローバルトーク。

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